はじめに:守りに入るには、まだ早い
50代も半ばを過ぎ、人生はいよいよ後半戦。
野球で言えば7回の裏、サッカーなら後半30分といったところでしょうか。
皆さんのこれまでの人生のスコアはどうでしょう。
大量得点での勝ちゲームでしょうか。
それとも大差をつけられて、もう負けが見えているでしょうか。
あるいは同点のまま、引き分け狙いに入っているでしょうか。
私は声を大にして言いたい。
「いや、まだこれからだ」と。
守りに入るには、まだ早い。
ここからもう1点、取りに行ってみませんか?
今回は、記憶力の衰えや「今さら遅い」という言い訳をすべて捨て去り、難関資格のリベンジ合格を掴み取った私のリアルな体験と、それを支えた「朝の習慣」「こだわりの文房具」についてお話しします。
その前に「そもそも、この歳で学ぶ意味があるのか」と感じている方は、50代の学び直しは、もう遅いのかを先にお読みいただくと、この記事の温度がより伝わるかもしれません。
1. 50代の勉強は「気合」ではなく「仕組み」で勝つ
3年ほど前の冬、出張先の地方都市の居酒屋で、カウンターの隣になった同年代の男性と店主を交えて雑談になりました。
仕事や健康の話題の中で、その方がふと漏らした一言が、妙に心に残ったのです。
「結局さ、人生ってやるかやらないかなんだよね」
その年末、大掃除を終えて何気なく観ていた『スター・ウォーズ 帝国の逆襲』で、ヨーダがルークに放った有名なセリフが重なりました。
「やるか、やらないかだ。試しはない」
ハッとしました。
これまで「忙しいから」「疲れているから」「明日からにしよう」と、やらない理由をたくさん並べてきたけれど、実際はただ自分が「やらない」を選択していただけだったのではないか、と。
一念発起し、自分が携わる業界の難関資格への挑戦を決めました。
しかし、若い頃のような丸暗記や長時間の集中はもう無理です。
言葉もすぐに出てこない。
だからこそ私は「気合」を捨て、脳科学に基づいた「勉強のやり方(仕組み)」に変えることにしたのです。
2. 脳を再起動する「朝30分のモーニングノート」の現実的な始め方
この勉強習慣を支え、日々のメンタルをクリアにしてくれたのが、毎朝の「モーニングノート」の習慣です。
ネットでモーニングノートについて調べると、よく「A4サイズで3ページ、毎朝思ったことを手書きせよ」と著者が推奨している方法が出てきます。
しかし、これをそのまま真似しようとすると、多くの50代は「朝からそんな時間は取れない」と挫折してしまいます。
■ 日本語なら「1ページ」で十分、ひたすら殴り書きする
実は、この3ページという目安はアルファベット(英語)を基準にしたものです。
日本語は漢字やひらがななど「画数」が圧倒的に多いため、ノート1ページに込めるエネルギーと情報量は、英語の3ページに匹敵します。
実際、私は毎朝1ページを書いていますが、それだけで少なくとも30分はかかります。
書く時は、何かをじっくり考える必要はありません。
「脳のゴミを吐き出そう」とか「不安を解消しよう」とか、そんなことすら一切考えない。
後で読み返すことも、人に見せることも考える必要は一切なし。
ただひたすら、その瞬間に頭に浮かんできたワードを殴り書きのように、サラサラとノートに吐き出していくのです。
途中で何も浮かばなくなったら、私はノートにそのまま「書く事ない」と書いています。
本当にそれだけでいいのです。
そうして30分間、何も考えずに頭に浮かんだ言葉をそのままノートにすべて吐き出してしまう。
これが結果として脳の最高のデトックスとなり、その後の資格勉強や仕事の集中力を爆発させてくれるのです。
■ 3週間目に訪れた「知らなかった自分」との対面
この毎朝の殴り書きを始めて、3週間ほど経った頃のことです。
いつものようにノートに向かっていると、ふと、
「あれ、俺ってこういう考え方してたんだ」
「こんな事思ってたんだ」
という瞬間が訪れました。
それは、知っていたようで実は全く知らなかった「本当の自分」の姿でした。
普段、仕事や家庭の役割(仮面)をこなす中で、自分がどれだけ自分の本音を無視して、惰性で蓋をして生きてきたか。
そのことに、ノートが静かに気づかせてくれたのです。
毎朝、自分自身と深く繋がるこの30分間があるからこそ、50代の焦りや孤独は消え去り、「よし、今日も自分のために時間を使おう」と脳が100%リセットされます。
なお、この30分をいつ確保するかは、人によって正解が違います。朝型の方は朝のゴールデンタイムに、夜型の方は夜の静寂の中で。無理に朝型になる必要はありません。詳しくは2階「心と体」で書いています。
3. 毎朝30分の相棒に。大人の書斎を格上げする「万年筆×ノート」の最適解
毎朝30分間、頭に浮かんだワードをサラサラと殴り書きする生活。
これに欠かせないのが、形から入る大人のこだわりとして選んだ文房具たちです。
■ 字が汚いコンプレックスを吹き飛ばした「パイロット・ライティブ」
実は、私は非常に字が汚く、それが今まで万年筆を買ったことがなかった大きな理由でした。
「万年筆は字が綺麗な人のためのもの」と思い込んでいたのです。
しかし、思い切って手にしたパイロットの「ライティブ(LIGHTIVE)」は、そんな私の常識を覆してくれました。
メーカー定価2,500円(税別)という手頃な価格でありながら、驚くほど軽量なボディ。
毎朝30分間文字を走らせ続けても、指や手首への負担がほとんどありません。
力を入れずとも滑らかにインクが滑り、汚い字のまま(笑)サラサラと殴り書きするのに最高の相棒になってくれたのです。
ちなみに、実際に使ってみて書き味は最高でしたが、当然、字は上手くなってはいません(笑)。
でも、それでいいのです。
目的は綺麗な字を書くことではなく、脳のゴミを出すことなのですから。
■ なんかカッコいい「青インク」の魔力
私はインクに「青(ブルー)」を選んでいます。
選んだ一番の理由は、単純に「なんかカッコいいと感じたから」。
形から入る大人にとって、この「なんかカッコいい」という直感はとても大切です。
後から知ったのですが、実は青色の文字は視覚的に「目に優しい」とされており、さらに記憶力を高める効果もあるそうです。
直感で選んだ青インクが、毎朝の脳内デトックスと資格試験の暗記効率を上げるために、これ以上ない組み合わせになりました。
■ 万年筆のポテンシャルを引き出す「マルマン・ニーモシネ」
そしてもう一つ、以前から勉強に使っていて、万年筆との相性がとても良かったノートがあります。
それが「マルマンのニーモシネ(Mnemosyne)」です。
ニーモシネの紙質は本当に素晴らしく、万年筆で殴り書きしてもインクが裏に染み出す(裏抜けする)ことがありません。
ペン先が紙の上を本当に気持ちよく滑るため、ライティブとの相性は抜群。
この万年筆とノートの組み合わせが、毎朝の30分を贅沢な大人の時間に変えてくれます。
道具は揃った。では、どうやって「リベンジ」を果たすのか?
居酒屋での出会い、ヨーダの言葉、そして毎朝30分のモーニングノートとこだわりのブルーインク。
これで「やらない理由」を無くし、淡々と続ける仕組みの土台は完成しました。
しかし、私が挑んだのは各科目40%以上の足切りラインがあり、総得点70%以上が必要な業界の難関資格。
実は、1回目の挑戦で私は「たった1科目」に泣き、非常に悔しい結果を突きつけられることになります。
そこから這い上がり、半年後の2回目の挑戦で見事リベンジ合格を掴み取った具体的な「脳科学の勉強法」と「挫折を防ぐ3つのルール」、そしてあの瞬間の凄まじい爽快感については、続く【後編】で余すことなくお話しします。
人生の後半戦、もう1点を取りにいく具体的な戦略を、ぜひ確かめてみてください。
ちなみに、こうして身につけた知識や資格は、履歴書のためだけのものではありません。肩書が剥がれた後、人と話すときの「話せるネタ」になります。その話は3階でしています。